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恋のマッチアップ番外編 膠着状態8

Auteur: 相沢蒼依
last update Date de publication: 2026-01-01 08:09:35

***

肩を貸して連れ帰る道中は互いに話をすることなく、無言のまま足を動かし、加賀屋の住むアパートに向かった。

「お疲れ様。もう体力がなくなるような、無理な練習するなよな!」

アパートに到着後、肩を貸してる加賀屋の腕を外し、帰ろうと身を翻した。すると俺の背中をぎゅっと掴む手に、動きを止められる。

「笹良、ベッドまで運んでくれ……」

(ここに来てそんなことを言うなんて、本当に加賀谷ってば我儘大王だな)

「そんなの、自力で這いずって行けよ」

白い目で加賀屋を見下ろして、はじめて気がついた。つらそうにアパートの扉に寄りかかりながら、両足を震わせる姿に言葉が出なくなる。

「笹良ぁ……」

「ああもう、どんだけへばってるんだよ。とっとと鍵をよこせ!」

背中を掴む加賀屋の手をぶった斬るように外し、ふたたび肩にかけて、鍵を強請った。

「ほら、早く鍵をよこせって」

「お願いしやーす!」

「調子に乗るな、まったく」

手際よく解錠し、玄関に上がりこむ。苛立ちながら屈んで加賀屋の靴を手荒に脱がせてから、自分の靴を脱いで室内にお邪魔した。

「ここに来て加賀屋の介護をするとは、夢にも思わなかった……」
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